『日本大衆文化史』は、古代の神話から現代の「初音ミク」まで、大衆を無名の作者と位置付け、時代を超えて、創造・継承・更新される大衆文化の歴史を見通し、「その先」を見据えます。ジャンルを横断して通史でたどる、これまでに無い文化史の教科書です。
【内容】
時間と領域を超えた二次創作、その盛衰を描く大胆な通史の試み!
古代から現代に至るまで、大衆もまた作者だった。多種多様な文化は、どのように作られ、継承され、更新されてきたのか。時代ごとに存在した「場」あるいは「メディア」との結びつきに着目しながら、ジャンルを横断し、通史で読み解く。これまでの文化史を刷新し、これからの社会と文化のあり方を考える、研究プロジェクトの最前線!
■収録内容(目次)
序 日本大衆文化史は可能なのか
【第1部 声と身体】
1章 物語と座の時代(8世紀~16世紀)
2章 声とパフォーマンスの時代(12世紀~16世紀)
コラム 「絵の本」の歴史――小絵から児童文学まで
コラム 太平記読み――テキスト、講釈、メディア
【第2部 メディア】
3章 木版印刷と「二次創作」の時代(17世紀~1890)
コラム オヅ・ヨシサダ青年のディレッタンティズム――江戸のオタク青年の脳内城下町
コラム 鬼魅の名は――妖怪名称と大衆文化
4章 「私」とアマチュアの時代(1900~1920)
コラム パノラマの経験――仮構される戦場
コラム 画工と画家――広告の図案制作者たち
【第3部 メディアミックス】
5章 参加する「素人」たち 群衆と動員の時代:前期(1920~1950)
コラム スタジオは生きている――アニメーションにおける協働/集団制作
コラム 「蒲田行進曲」と裏方たちのドラマ――映画撮影所の歴史と伝統を受け継ぐ者たち
6章 遅れてきたテレビ 群衆と動員の時代:後期(1950~1980)
コラム 模型の近代史――メディアとしてのモノ
コラム レイヤーとしてのトーキーアニメーション
【エピローグ デバイス】
7章 プラットフォームとデバイスの時代(1980~現在)
コラム ボーカロイドとは何か――初音ミクという創作活動ムーブメント
■執筆者
大塚英志、伊藤慎吾、香川雅信、久留島元、木場貴俊、北浦寛之、佐野明子、山本忠宏、前川志織、近藤和都、松井広志、オウ・ケイカイ、アルバロ・エルナンデス
■書誌情報
書名:『日本大衆文化史』
編著者:日文研大衆文化研究プロジェクト
定価:本体2500円+税
発売日:2020年9月18日(電子書籍も同日発売)
ISBN:9784044005634
発行:株式会社KADOKAWA
https://www.kadokawa.co.jp/product/321910000164/
【大衆文化研究プロジェクトとは】 国際日本文化研究センター(日文研)が2016年度から2021年度にかけて人間文化研究機構・機関拠点型基幹研究プロジェクトとして取り組んでいるプロジェクト(正式名称「大衆文化の通時的・国際的研究による新しい日本像の創出」)です。日本文化全体を構造的・総合的に捉え直すため、大衆文化の通時的・国際的考察に取り組み、新しい日本像と文化観の創出に貢献することを目的としています。 (公式サイト:https://taishu-bunka2.rspace.nichibun.ac.jp/) |
■続刊予定 ※書名、発売月はいずれも予定です。
第2巻『疫病・自然災害・大衆文化』(2021年7月)(代表編者:小松和彦)
第3巻『身体と六感の大衆文化史』(2021年9月)(代表編者:安井眞奈美、アルバロ・エルナンデス)
第4巻『〈キャラクター〉と〈世界〉の大衆文化史』(2021年11月)(代表編者:荒木浩、前川志織、木場貴俊)
第5巻『東アジアの中の日本大衆文化』(2022年1月)(代表編者:劉建輝、石川肇)
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September 18, 2020 at 08:40AM
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