オウム真理教の後継団体「アレフ」の活動を扱ったテレビ東京(東京都港区)の報道番組「ゆうがたサテライト」をめぐり、信者の男性が肖像権とプライバシーの侵害などを申し立てた問題で、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は14日、「人権侵害や放送倫理上の問題を認めない」とする見解をまとめたうえで、さらなるプライバシー配慮を要望した。
対象となったのは平成30年5月16日の放送。アレフ札幌道場周辺の様子が無断で撮影され、記者と信者との押し問答の場面では、音声が一部加工されないまま個人を特定できる状態で放送されたなどとして、肖像権とプライバシーの侵害、取材や編集方法について同団体が申し立てていた。
当時は元教祖、麻原彰晃(しょうこう)元死刑囚=執行時(63)、本名・松本智津夫(ちづお)=の逮捕から23年を迎え、死刑執行の準備が進んでいるとの見方が強まっていた時期で、そうした状況下での同団体の様子を報じるものだった。
報告書では、潜在的な危険性を有する「アレフがなお活動している状況を示すものとして公共性・公益性がある」と放送を評価。信者男性の顔のぼかしや音声の加工などは行われていたとして、人権侵害や放送倫理上の問題を認めない見解をまとめた。
一方、音声が編集上のミスで一部加工されずに流れたことについては、「単なる『不体裁』ではなく、申立人のプライバシー保護にかかわる問題」として、再発防止に向けた取り組み強化を要望した。
2020-02-14 06:51:00Z
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