医師「被告は軽い大麻依存症」
続いて、証人尋問。弁護側は、2人を証人として申請した。
1人目は、沢尻被告の治療に当たっている医師。起訴内容に争いはなく、被告の量刑を決めるに当たって酌むべき事情を立証するための「情状証人」の位置づけとみられる。医師は心理学の専門医で、「軽い大麻依存症」との診断結果を明らかにした。
弁護人 「依存症患者の治療に取り組んでいる?」
証人 「ずっと関わっている疾患です。主にアルコール依存。覚醒剤、薬物依存にも関わってきました」
弁護人 「沢尻さんとの関係は?」
証人 「保釈されて以来、当院に入院し、治療に努めてきた」
医師は、脳の画像検査や精神状態をみる検査、血液検査、記憶を調べる検査を沢尻被告に実施したと証言し、続けた。
証人 「MDMAやLSDについては依存症の診断を満たすとは考えていません。大麻については軽い依存症があった」
医師は、沢尻被告がMDMAやLSDをクラブで騒ぐ時に数カ月に1回程度で使っていると説明。いつも使うことは考えておらず、依存症の基準を満たさないとした。一方で、大麻に関しては、(ドラマなどの)撮影期間は使っていないが、長い休みの時に使いたいという気分で使っていて、使う量が増えることがあったとした。
弁護人 「今後、必要な注意は?」
証人 「(薬物を)やめようという気持ちを持ち続けられるか。今は問題を起こした直後なので強い気持ちがあるが、1年、2年たつと薄れるというのがよくある。家族らと相談することが非常に重要」
法廷の弁護側の席でやりとりを聞いていた沢尻被告。この場面で、数回、首を縦に振ってうなずいた。
弁護人 「沢尻さんの依存症克服のための姿勢はどうでしたか」
証人 「スタッフもびっくりするほど真面目に取り組んでいた。他にすることがなかったからかもしれないけど……」
沢尻被告の表情が緩んだ。
弁護人は今後の治療計画についての話題を持ち出した。
証人 「月に1度、来てもらい、考え方を確認する。疑いたくはないが、薬物キットを使って本当に使っていないかを確認する。孤立させないようにみんなでサポートする」
兄「話し合って、交友関係を見直す」
法廷には、次の証人として沢尻被告の兄が現れた。正面を見据えていた沢尻被告が視線を落とした。尋問が続く。
弁護人 「どのくらいのペースで被告と面会していたか」
証人 「勾留中に4~5回。やっちまったことを反省している。謝罪の言葉がみられた」
弁護人 「今後の生活はどうしますか」
証人 「エリカと話し合って、交友関係を見直す。生活のリズムを取り戻して監督していきたい」
俳優としての仕事についても言及があった。
弁護人 「今後の仕事はどうされますか?」
証人 「今のままでは難しい。本人も女優の仕事は考えていないようだ。話し合いの中でサポートしていきたい」
弁護人 「人間関係はどうしますか?」
証人 「悪い人については断ち切ってもらう」
検察側は反対尋問で、これまで薬物を使っていることは知っていたかと尋ねた。証人は「目の前では見たことがなかった。報道では目にしていた」と答えた。
2020-01-31 07:37:43Z
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