国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区大蔵2-10-1、理事長:五十嵐隆)のアレルギーセンター大矢幸弘センター長、安戸裕貴医師、山本貴和子医師らは同施設で2003年から一般の小児を対象として行ってきた出生コホート研究(成育コホート)において、13歳までのデータを使って花粉-食物アレルギー症候群 Pollen-food allergy syndrome (PFAS)[1]はアレルギーマーチ[2]の一つであり、5歳時のアレルギー症状やアレルギー検査結果で13歳の花粉-食物アレルギー症候群を予測できる可能性を報告しました。この論文は、国際雑誌Nutrientsに掲載されました。近年急増しているPFAS対する重要な知見が得られました。
[1] 花粉-食物アレルギー症候群(pollen-food allergy syndrome, PFAS)とは、花粉感作後に、花粉と交差抗原性を有する植物性食物を経口摂取してアレルギー症状を来す病態を指します。PFAS は口腔咽頭症状に限局することが多く、口腔咽頭症状を主徴とすることから、口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome, OAS)とも呼ばれます。
[2]アレルギーは、乳幼児期のアトピー性皮膚炎を始まりとし、続いて食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎と次々と異なる時期に出現してくることが多く、これを「アレルギーマーチ」と呼びます。
【13歳時の花粉-食物アレルギー症候群 Pollen-food allergy syndrome (PFAS)との関連】
プレスリリースのポイント
- 花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)がアレルギーマーチのアレルギー症状と関連していることがわかりました。
- 5歳時 アトピー性皮膚炎(+喘鳴、鼻炎などの併存)は、13歳時の花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)との関連が統計学的に有意になりました。
- 5歳時 Bet v 1(シラカバ)・Cri j 1(スギ)・ネコ感作は、13歳時の花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)との関連が統計学的に有意になりました。
発表論文情報
著者:安戸裕貴、山本貴和子、羊利敏、齋藤麻耶子、佐藤未織、宮地裕美子、島田真美、平井聖子、豊國賢治、石川史、犬塚祐介、樺島重憲、福家辰樹、大矢幸弘
題名:Pollen Food Allergy Syndrome in Allergic March
所属名:国立成育医療研究センターアレルギーセンター
掲載誌:Nutrients
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