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食物アレルギー今むかし①(全4回)|WEB版すこやかライフ|独立行政法人環境再生保全機構 - 環境再生保全機構

海老澤 元宏 先生 国立病院機構相模原病院臨床研究センター長
アレルギー性疾患研究部部長
海老澤 元宏 先生

50年前まではほとんどその存在が知られていなかった食物アレルギー

医学の父と呼ばれるヒポクラテスが、今から2400年ほど前、「牛乳が嘔吐、下痢、じんま疹を起こす」という言葉を残し、食物アレルギーの可能性を指摘したという逸話が伝わっています。随分昔から存在しているようですが、実はほんの50年前まで、食物アレルギーはきわめて稀な病気でした。

日本人医師によってIgE抗体(アレルギー反応を引き起こす抗体)が発見されたのは1960年代、実際に測定ができるようになったのは80年代で、食物や環境中の抗原(体の中に侵入してくる物質)であるダニやスギ花粉などの抗原特異的IgE抗体の量が測れるようになってきました。測定してみると、さまざまな抗原に反応している人が多くいることが分かってきましたが、当時は食物アレルギーの診断法が全く確立されておらず、IgE抗体が測定可能になってからも、医師によっては「陽性の人はアレルゲン(アレルギーの原因になる抗原)を含む食品の完全除去を勧める」「食物アレルギーの存在を認めない」というように方向性も考え方もまちまちでした。

その後、多くの医師の尽力により食物アレルギーの診断法が確立され、今では小児アレルギー疾患の代表的なものになっております。日本におけるIgE依存性の食物アレルギー有症率は、乳児7.6~10%、2歳児6.7%、3歳児約5%、学童以降1.3~4.5%、全年齢を通して1~2%程度とされており(食物アレルギーの診療の手引き2020より)、数多くの人たちが食物アレルギーに苦しんでいます。鶏卵、牛乳、小麦がアレルギーを起こしやすい食物として知られていますが、ほかにもさまざまな食べ物がアレルギーの原因となり、最近では幼児期におけるクルミをはじめとした木の実類アレルギーが増えています。

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