博物館内の展示以外にも、アイヌの世界観や自然観そして信仰などを広く知ってもらうための実演が敷地内ので行われている。プログラムは季節によって変わるので、今回紹介するプログラムは10月末に終了しているが、事前に公式サイトでタイムテーブルを確認し見学することをお薦めする。その中のひとつが、「丸木舟操舟実演・解説」だ。アイヌの伝統的漁労の他、荷物運搬や人々の移動手段として使用されていたのが丸木舟だ。実際に漕ぐ様子を見学しながら、生活の中での用途について解説を聞くことができる。
非常にスリムなアイヌの丸木舟だが、その特徴は漕ぎ方。舟の後部での立ち漕ぎで、左側だけで漕ぎながらも左右の進路変更を行うことができる。方向転換は櫂(かい)の操作で行うそうだが、バランスを取りながらの技術は熟練を要する。実演は公園の面するポロト湖畔で行われるが、アイヌの人々はこれで外洋にも出て、カジキ漁も行ったという。
川や海など場所や用途に応じて幅や長さは異なり、写真の舟は7.5mという長さ。最大で4人程度が乗ることができ、非常にスピードの出る舟だ。おおよそ1カ月半で作るが、道具は独特の手斧やマサカリで、ノミかカンナは使用しない。
アイヌの狩猟について学ぶプログラムが「仕掛け弓実演・解説」だ。丸木から作った弓を、熊の狩猟のための仕掛け弓として使う方法で、その仕組みや様子が実演される。
弓はイチイの丸木から作られ、糸はクジラやシカの腱が使われている。矢尻には毒が塗られ、獲物に刺さった後は外れるようになっている。持ち歩いての狩猟が非効率ということで、仕掛けでの狩猟が行われるという。
弓は台座に据え付けられ、いわゆるクロスボウのように設置。台座からは糸が伸び、熊の通り道を挟むように木に想定したポールに括り付けられる。板で再現された熊にはレールがつけられ、これを糸で引くことで実演がスタート。
仕掛けで問題になるのが、熊が糸に引っかかってすぐに矢が飛んでしまうと、タイミングが早すぎて熊の目の前を通り過ぎてしまう。そこで、台座には2段階目で矢が飛ぶ仕掛けがされている。そうした様子も細かく解説され、アイヌの人々の知恵に触れることができる。実演では熊だが、シカの場合はまた違った仕掛けだという。
アイヌの人々の生活環境は公園内全体で再現されており、植生もそのひとつ。「樹木案内」プログラムでは、園内の自然を歩きながら観察し、どんな植物がアイヌの人々の衣食住や儀礼に利用されているかを知ることができる。
解説の中では、それぞれの樹木のアイヌ名・和名、特徴、用途が解説される。また、樹木にまつわる物語や歌についてふれる内容もあり、豊かな自然がアイヌ文化にいかに根付いているかが具体的にイメージできる。
樹液を使って洗顔したり薬として煮て使うという身近なものから、お供えや儀礼で使うイナウ(祭具)となる木や、チセ(家屋)の材料になるなど、アイヌのあらゆる生活の場面で木は重用されている。衣類となる繊維をとるための代表的な木がニレ科のアッニ(和名:オヒョウ)で、樹皮をはいで着物になるまでの工程などは非常に興味深い。
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November 19, 2020 at 04:00PM
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ウポポイの意味は「(大勢で)歌うこと」。アイヌ文化を発信する話題の施設の見どころは? - Pen-Online
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