疫病対策文化財に学ぶ南砺出土品や記録など展示 - 中日新聞

展示された呪符（手前）や木製ひとがた（奥）＝南砺市埋蔵文化財センター

　南砺市埋蔵文化財センターでミニ企画展「文化財に見る南砺の疫病−感染症の歴史と遺産」が開かれ、疫病に関する市内の出土品や記録など約二十点が展示されている。十一月三十日まで。

　新型コロナウイルスの感染拡大を受け、先人が疫病にどう対処したかを知ることでコロナ禍を乗り切るヒントを得られればと企画した。

　七百年前の天刑星（てんけいせい）呪符は疫病退散を願って家に掲げた木札。疫病をうつす鬼を食べる善神・天刑星の絵と疫病の早期退散を願うまじないの言葉「急々如律令（きゅうきゅうにょりつりょう）」が記されている。同市蛇喰（じゃばみ）の集落跡で発掘された。

　同市久戸の小川跡で出土した七百年前の木製ひとがたは、紙のひとがたの原形で、災いをはらうのに使われた。

　コレラの死亡者を弔う幕末のコレラ病死の石碑（田向）や明治期の井波のコレラ堂を写真で紹介。疫病について書かれた合併前の旧町史の抜粋も並べた。

　写真撮影できる天刑星の顔出しパネルもある。火曜休館。無料。　（松村裕子）

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