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STAY HOME 高校生、ARTに託す 新渡戸文化高校:社会(TOKYO Web) - 東京新聞

「病院勤めの母と姉の不安や怖さが和らげば」。2年生の池田有伽さん(16)が描いた疫病を鎮める妖怪「アマビエ」の絵

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 「STAY HOME(家にいよう)」と呼びかけるネイルアート、医療崩壊を表現したイラスト、ギターで作曲したメッセージソング。休校中の新渡戸文化高校(中野区)の生徒97人が、オンライン授業で新型コロナについて学び、「大切な人に伝えたいこと」を作品に託した。授業を企画した教師たちは「今しかできない学びをしてほしい」と話している。(藤川大樹)

■「怖い」がきっかけ

 新渡戸文化高校を運営する学校法人「新渡戸文化学園」は一九二七年に創立され、子ども園から短期大学まで手掛けている。初代校長は、明治から昭和にかけて活躍した教育者の新渡戸稲造(一八六二〜一九三三年)。英語で書かれた「武士道」の著者、旧五千円札の肖像としても知られている。

2年生の鶴岡樹里さん(16)が「医療崩壊」をテーマに描いた絵。「一人でも多くの人が助かりますように」

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 同高校は三月上旬、臨時休校に踏み切り、新年度からビデオ会議システム「Zoom」を使ったオンライン授業を始めている。生徒から「コロナが怖い」「よく分からないから不安」という声が上がったため、「それなら新型コロナウイルスについて学習してみよう」と企画が立ち上がったという。

「今できることは家でいろんなことを試すこと」。1年生の藤本美優子さん(15)は「おうちカフェ」に挑戦

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 授業は、複数の教員が教科横断的に授業を行う「クロスカリキュラム」の一環として位置づけ、「教科書」には、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の研究でノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥・京都大教授が立ち上げたホームページや新聞記事を利用した。

■大切な人を守る

 生徒たちは「新型コロナウイルスに感染しても、多くの場合が無症状や軽症で終わること」や「高齢者や、糖尿病などの基礎疾患を持つ人は重症化しやすいこと」などを学習。「自分は大丈夫でも、知らないうちに他人にうつしてしまう可能性がある」「周囲の大切な人たちを守るために家ですごさなければいけない」などのメッセージを伝える必要があると考え、作品に落とし込んでいった。

「家でゆっくりコーヒーでもどうでしょう」。2年生の波木井編(はきい・あむ)さん(17)が「STAY HOME」をテーマに描いた絵。

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 高校生のアイデアは自由で豊かだ。例えば、一年生の中田愛梨香(えりか)さん(15)はネイルアートで「STAY HOME」を表現。ギターが好きな東優樹さん(15)は「HEROES」と題する曲を作り、「僕たちが家にいることで世界が救われる」との思いを歌に込めた。

1年生の中田愛梨香さん(15)のネイルアート作品。「家の中でオシャレをしてSTAY HOMEを楽しみましょう」

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■教育を見直す機会

 授業を企画した一人で、理科教諭の山藤旅聞(りょぶん)さん(40)は「一連のコロナ危機が、当たり前に過ぎていく教育活動をゼロから見直す機会になった」と話す。

山藤旅聞教諭

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 授業の遅れや受験への影響など休校に伴うマイナス面ばかりがクローズアップされがちだが、山藤さんは「全員が社会課題の当事者になり、一人一人の行動が社会を動かす、という経験はめったにない。今、現場でやるべきことは、動画配信やプリント課題だけではないと思う」。

高橋純司教諭

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 社会科教諭の高橋純司さん(51)は「生徒たちには、先生がいなくても、主体的に学び続けていく力を付けてほしい」と期待を込めた。

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May 02, 2020 at 10:55AM
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