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コロナと文化芸術 - Miyanichi e-press - 宮崎日日新聞

◆窮地の業界に経済的支援を◆

 新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの舞台やコンサート、美術展などが相次いで中止・延期になっている。その数、5678公演、チケット代の払い戻しなどの損失額は3月中旬時点の推計で522億円に上っている。

 緊急事態宣言発令によって、さらに広範な公演自粛の動きが広がっており、損失額は膨らむ見通しだ。

 県内では、来月予定の第25回宮崎国際音楽祭の全16公演が8月に延期される。県内の中学、高校の文化系部活動でも全国大会県予選の中止、練習の休止などが相次ぐ。文化芸術活動は風前のともしびの状況だ。

 爆発的感染を防ぐため、現時点で日常生活が一部制限されることは仕方がない。医療崩壊を食い止めるための自律的な行動は、市民としての当然の責務でもある。その意味で「不要不急」の外出を避けるのは当たり前だ。

 しかし、こうした事態だからこそ芸術文化や精神生活の大切さを深くかみしめたい。「たかが娯楽」と軽視せず、自粛要請が人々の精神に負担を強いている可能性を認識したい。

 外出が原則禁止されたイタリアではバルコニーで楽器を演奏して歌い、互いを励まし合う動画が拡散した。オランダでは管弦楽団団員が自室などでベートーベンを演奏し、自主隔離する19人の演奏を重ね合わせた動画が大きな話題となった。

 こうした事例が示すように、音楽をはじめとする文化芸術活動は豊かで健全な生活に欠かせないものだ。逆に、切迫した局面にあるからこそ人は文化芸術を欲するとも言える。

 安倍晋三首相は、芸術やスポーツの必要性に触れ「困難にあっても、文化の灯は絶対に絶やしてはなりません」と述べた。であれば、政府はその意義を前面に出し、自粛で厳しい立場に置かれた送り手に、もっと手厚い経済的支援をするべきだ。公演などの中止や延期で業界は疲弊している。

 特に映画のミニシアターや演劇の小劇場、ライブハウスなど小規模事業者は窮地に立つ。フリーランスを含むスタッフも同様だ。仕事として文化芸術に関わることは必ずしも金銭的な豊かさに直結しない。その上で今回の自粛である。「文化の灯を絶やさない」ために力を尽くしている人々の窮状に、もっと目を向けていい。

 問題は経済面だけではない。アーティストにせよ、エンターテイナーにせよ、送り手にとって、受け手である観客と一体になった表現の場を奪われることはつらく悔しいだろう。社会はその痛みにもっと敏感になるときだ。

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April 11, 2020 at 06:10AM
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