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社説(4/10):新型コロナと芸術文化/存続へ手厚い支援が必要だ - 河北新報

社説

新型コロナと芸術文化/存続へ手厚い支援が必要だ

 新型コロナウイルスの感染拡大で、演奏会や演劇、演芸、展覧会などの文化イベントが軒並み中止や延期に追い込まれている。
 安倍晋三首相が緊急事態宣言を出し、いつ開催できるかどうかさえ見通せない。政府は個人事業者やフリーランスに現金を給付する緊急経済対策を決めたが、文化の担い手を非常事態から救うとともに、活動再開へ向けた支援も検討するべきだ。
 政府が大規模イベントの自粛を初めて要請してから1カ月半になる。ウイルスの猛威は衰えを見せず、大勢の人が集まれば感染の危険性は高まる。中止や延期はやむを得ない。
 音楽ライブの主催者でつくるコンサートプロモーターズ協会は3月、超党派の国会議員の会合で「この状況では業界が持たない」と訴えた。協会の推計によると「自主判断」で中止・延期した3月末までの公演は約1550件、損害総額は約450億円に上る。
 東北でも影響は深刻だ。仙北市の劇団わらび座は、支援金の協力を広く呼び掛ける異例の声明を出した。
 3月の全国公演が全て中止になったほか、宿泊施設としても運営する拠点のあきた芸術村は予約がほとんどキャンセルとなった。日本有数の規模の劇団の現状である。
 芸術文化に携わる人々は東日本大震災の際も、公演を開催できない苦しみを味わった。しかし、今回はある意味でそれを上回る。仙台市の音楽制作会社関係者の悲痛な声が本紙に載っている。「震災の時は『つらい時こそ音楽を届けよう』と頑張れたが、今回はそれすらもできない」
 各国は支援に乗り出している。ドイツ政府は文化産業に携わるフリーランスや小規模事業者に50億ユーロ(約5980億円)の財政支援を表明した。英国でも公的支援団体アーツカウンシルが芸術家や劇場への資金注入を進めている。
 芸術文化は食料品や医薬品などと違って不要不急かもしれない。しかし、失われた日々を経験する今、いかに味気ない生活なのかが分かる。
 ドイツの文化担当大臣は「アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだ。特に今は」と述べたという。苦境にある芸術文化関係者の心を奮い立たせる言葉だったろう。
 日本は緊急経済対策で、収入が半減した中小企業に最大200万円、個人事業者やフリーランスに最大100万円を給付する。
 音楽家や俳優、そのスタッフも含まれるとみられるが、申請手続きや給付時期など不明な点が多い。政府は早急に明らかにし、多くの関係者に渡るようにしてもらいたい。
 緊急経済対策は非常事態を一時的に切り抜ける施策である。新型コロナが終息後、芸術文化が再び立ち上がるためにはさらなる国の支援が必要だ。

2020年04月10日金曜日


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