がん予防効果があると言われるきのこ……研究報告は多いが、実際のところは?
さまざまな料理に使いやすいきのこ。食物繊維やビタミン、ミネラルを多く含み、病気を予防する効果があります。
しいたけ、ぶなしめじ、エリンギ、えのきだけなど様々な種類があるきのこ。私たちの身近な食品の1つでもあります。
巷では、きのこは免疫系を活性化することで、がんの予防効果があると言われています。確かに、β-グルカンなど効果があるのではないかと考えられている成分は含まれていますが、含有量がすくないため、実際にはがんの予防効果があるとは断言できません。
ただし、それぞれの品種に特有の成分もありますが、食物繊維、ビタミン・ミネラルは、きのこ全般に多く含まれています。通常の食品で不足しやすい栄養素がたっぷり含まれていると言えるでしょう。栄養豊富な一方で、エネルギーは非常に低い、いわゆる低カロリー食材です。そのため、食べすぎてしまっても肥満のリスクが低い点も魅力です。
きのこの主な栄養素(食物繊維・ビタミン・ミネラル)の健康効果
きのこに多く含まれる栄養素と、それぞれの健康効果をみていきましょう。■食物繊維の健康効果
食物繊維はヒトが持つ消化酵素では消化されないため、腸まで「そのまま」届きます。そのため便のカサ増しとなり、便通がよくなる効果が期待されます。便通がよくなると、消化されたものが腸を通過するスピードは早くなりますので、腸からの必要以上の栄養素の吸収を抑えることにも役立ちます。不必要な栄養素が吸収されないため、肥満予防につながります。肥満予防は生活習慣病予防にもなりますので、ガンや動脈硬化などのリスクを下げることも期待できます。
■ビタミンの健康効果
きのこに特に多く含まれているのは、ビタミンB1、ビタミンB2、葉酸です。ビタミンB1は糖質をエネルギーにする際に必ず必要な栄養素であるため、米など炭水化物を多く摂取する日本人にとっては欠かせないビタミンです。葉酸は胎児の初期発達に必要であることがよく知られていますが、不足すると貧血の原因になったり認知症の原因になったりすることが報告されています。
■ミネラルの健康効果
きのこはミネラルの中でも特にカリウムを多く含みます。腎臓に負担がかかっていない高血圧症の方には、積極的に摂取していただきたい栄養素です。
当然ながらきのこは薬ではありませんので、何かの病気を治すような薬効はありません。しかし、このようにさまざまな健康効果があり、病気予防にもつながる効果が期待できます。ぜひ、煮ても焼いてもおいしいきのこを、好みの料理でおいしく召し上がってください。
■参考
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