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食物繊維 3.3倍以上 コメの新品種 県農試が育成 コシヒカリより:日刊県民福井Web - 中日新聞

「新福1号」(左)と「コシヒカリ」の玄米の外観=県農業試験場提供

「新福1号」(左)と「コシヒカリ」の玄米の外観=県農業試験場提供


 コシヒカリを生んだ福井市の県農業試験場が、食物繊維が多い主食用米の新品種「新福1号」を育成した。精米後でも百グラム当たり三・〇グラムで、コシヒカリの三・三倍以上。炊飯後でも茶わん一杯(百五十グラム)で二・〇グラムと、女性の摂取目標量の一日の不足分が二杯で補える計算だ。今後、県農業試験場で収量性の改善や、モチ米や有色米との交配などに取り組む。 (北原愛)

 農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県)や新潟大と共同研究し、九月十三日に農林水産省に品種登録を出願。登録には数年を要する。健康食品・化粧品製造の「ファンケル」(横浜市)との商品開発もスタート。帯広畜産大で開催された日本育種学会秋季大会で、県農業試験場の小林麻子主任研究員が発表した。

 厚生労働省の統計によると、近年の日本人の食物繊維摂取量は一日当たり十四グラム前後。整腸作用や血糖値上昇の抑制が期待されるが、目標量に対して男性で七グラム、女性で四グラム程度不足する。その大きな原因がコメ離れだ。「おいしく食べて健康になれるコメ」を目指し、二〇〇七(平成十九)年に研究が始まった。

 第一段階として、コシヒカリの突然変異系統から食物繊維が多い株を選抜して交配。県農業試験場では一五年から育成し、品種登録に向けたデータを蓄積した。新福1号の食物繊維含有量は玄米百グラム当たり五・五グラム。精米後も三・〇グラムとコシヒカリの玄米より多い。外観が白いのは食物繊維が多いためだ。食味は外食産業で使われる品種「日本晴」と同水準で食べやすい。

 ただ、コシヒカリより一回り小粒で、収量も七割以下と少ない。倒伏に関しても、コシヒカリに比べてやや弱いとの結果で、小林主任研究員は「生産者が栽培するまでには、改善点がまだ多い」と意欲。機能アップに向けては美肌効果や老化防止の抗酸化成分を含む有色米、食味向上にはモチ米との交配を進め、収量性の改善も図っていく。

 コメ消費量の減少が続く中、機能性に着目した品種開発は注目の分野。コシヒカリ発祥の地・福井から一石を投じたい考えだ。

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