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不足しがちな食物繊維とその役割 - 高校野球ドットコム

 食物繊維は五大栄養素(糖質・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラル)に続く、体にとって必要不可欠な栄養素です。ところが多くのアスリートにとって不足しがちな栄養素であることも指摘されています。

 食物繊維とは「人の消化酵素では消化することのできない食べ物の中の成分」をさし、消化されないために口から摂取しても消化管の中を通って大腸にまで運ばれ、便として排泄されます。栄養素として体に取り込まれるものではないため重要視されにくいものですが、食物繊維は便秘の予防や解消、腸内環境の改善(腸内で善玉菌を増やす効果など)といった腸の働きを整える作用(整腸作用)があります。

 腸はストレスやプレッシャーなどの影響を受けやすいため、大事な試合前にお腹が張って便秘を引き起こしてしまったり、逆にお腹を壊してトイレに駆け込んでしまったり…といった経験をした選手もいるのではないでしょうか。良いコンディションで試合に臨むためには、日頃から食物繊維をとって腸内環境を整えるようにすることが大切です。また食物繊維は胃での滞留時間が他の栄養素に比べて長く、消化吸収のスピードを遅くする作用があるため、糖分や脂肪の吸収がゆるやかになると言われています。体脂肪の過剰な蓄積を防ぐという点でも、食物繊維は大いに役立つと考えられます。

 日本人の食事摂取基準(2020年度版)によると食物繊維の目標量は15~17歳男子で約19g/日、同年齢女子で約17g/日、18~29歳以上の男子で約20g/日、同年齢女子で約17g/日とされていますが、現状では多くの人が食物繊維不足であると指摘されています。食物繊維は玄米や豆類、きのこ類、野菜全般、こんにゃくや海藻類、果物などに多く含まれます。栄養バランスを考慮した上で食事をとるようにすると、食物繊維もあわせてとることができると思います。

 食物繊維の摂取について、一つだけ注意すべき点があります。試合前に食物繊維の多い生野菜や豆類、きのこ類などを多く摂ってしまうと、お腹にガスがたまりやすくなることがあります。試合前に限っては食物繊維の摂取は適量もしくは少量にとどめておき、たくさん摂りすぎないように心がけましょう。

文:西村 典子
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