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【11月1日付社説】文化財の救出/情報共有し万が一に備えよ - 福島民友

 地域の歴史を伝える貴重な文化財を災害から守るため、不断の取り組みが大切だ。

 県と県内59市町村が、水害や地震などの大規模災害で文化財が被災した際、その救出を応援し合う協定を結んだ。被害のあった市町村からの応援要請を受け、県が他の市町村から職員の派遣、物資や資材の提供などができるよう調整役を担う。

 ひとたび大きな災害が発生すれば、市町村は人命を最優先に住民の避難誘導や復旧対応に総出で当たることになる。職員のやりくりに追われる状況で、文化財の救出活動などを行う職員が派遣されることは大きな支えにもなる。県、各市町村は防災上の課題など各地の文化財の現況を調べ、データを共有することで実効性ある協定にしてもらいたい。

 各市町村には水害、土砂災害などの被害が予想される区域、住民の避難経路などを地図に落とし込んだハザードマップがある。県が今春まとめた県文化財保存活用大綱では、その文化財版ともいえる浸水ハザードマップの作成に努めることが明記されている。

 被害に遭うリスクはできる限り抑えなければならない。被害が想定される場合に、あらかじめ、どの文化財を、どこに運び出して保管するかといったことも織り込んだ詳細なハザードマップづくりを進めてほしい。

 万が一、文化財が被災したときに救い出す取り組みは、東日本大震災で多くの人が携わり、最近では昨年の東日本台風での記憶が新しい。本宮市歴史民俗資料館が浸水被害を受け、多くの古文書や歴史資料、出土品などが水没した。この際、県、市町村職員、大学関係者、専門家らが連携し、現地で古文書の洗浄、乾燥などの修復作業に当たった。

 被災した文化財の修復には、高度な技術、専門的な知識が必要となる。県は近く、福島大、ふくしま歴史資料保存ネットワーク、県文化振興財団などの各団体と、文化財の救出体制の強化に向けた連携協定を締結する予定だ。この協定によって、大学教員、専門家らを速やかに被災地に派遣することが可能となる。

 学芸員など文化財を担当する専門職がいない自治体も少なくない。県には市町村の担当者らを対象にした研修の機会を設け、文化財の救出、修復に関する知識を深めていくことが求められる。

 文化財保護強調週間が始まった。大切な地域の宝を未来に継承していくために何ができるかを考える機会としたい。

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November 01, 2020 at 06:50AM
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