韓国最南端、済州島の海女(あま)の日常を描いた絵本が、韓国と日本で相次いで発売された。これをきっかけに日韓の海女文化を子供たちに伝えたり、日本の海女を映像で記録しようという動きも生まれている。(五味洋治)
この本は「ママとうみのやくそく」(主婦の友社)。五月末に日本語版が出版された。原作は、韓国の絵本だ。済州島生まれの脚本家、高希英(コヒヨン)さんの文章に、世界を舞台に活動するスペイン人画家のエヴァ・アルミセンさんが絵を担当した。
高さんは済州島の海女の生活を描いたドキュメンタリー映画を撮影、それをアルミセンさんが見たことがきっかけになった。素朴な絵柄が人気を集め、すでに韓国では二十五万部が売れたという。
女性が素潜りして海底のアワビやサザエなどを採る海女は、日本と韓国・済州島などにしかないとされる。日本でも、海女を題材とした朝の連続ドラマ「あまちゃん」が放送され、関心を集めた。
欧米では海の仕事は男のものだというイメージが強いようで、日韓に残る海女文化はとても新鮮に映るという。済州島の海女は、すでにユネスコ無形文化遺産に登録されており、日本でも登録を目指す動きが出ている。
日本語版の出版に協力した東京都大田区のドキュメンタリー制作会社の趙華行(チョウファヘン)さん(51)は、「新型コロナウイルスの流行が終われば、図書館などでこの絵本の読み聞かせ会を開きたい。日本の海女さんのドキュメンタリーも作り、海女さんを通じた日韓交流を進めたい」と話している。
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