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コロナ禍 それでも京都で文化財を公開する意義とは - 朝日新聞デジタル

 秋の「京都非公開文化財特別公開」が9月1日~12月13日に寺社など18カ所が参加して開催される。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、全体の会期を長期間設定し、期間中に各会場が個別の日程で公開する異例の形を取ることになった。

 新型コロナウイルス禍の中で文化財を特別公開する意義を、京都古文化保存協会理事長の田中安比呂(やすひろ)・上賀茂神社宮司に聞いた。

拡大する写真・図版上賀茂神社の田中安比呂宮司=京都市北区、筋野健太撮影

 京都はそもそも、日本の文化や歴史に触れたいと訪れる方が多いわけですが、新型コロナウイルスの影響で3月以降、神社仏閣を含め観光客が京都全体からいなくなってしまいました。当神社もご参拝は例年の2割ほどでしょうか。結婚式も春で250組ほどが挙げられますが、ほとんどが延期・中止となりました。また多くのスタッフを雇用しておられる拝観寺院などは固定費がかかるため、切実な声も聞きます。

 京都三大祭も、当神社の賀茂祭(かもさい)(葵祭)は、平安装束での行列が中止となりましたし、祇園祭も山鉾(やまほこ)巡行が、時代祭も行列が中止となりました。例年と同じ形ではできなくなり、大変残念なことです。

 そうしたなかで、なぜ文化財を公開し、皆様にご覧いただくのか。

 たとえば東日本大震災や相次ぐ風水害など災厄があったときに神仏に頼まれる姿が多くありました。歴史をたどりますと、我が国は災害が多いこともあって、人々は神仏のご加護をいただくために必死になって祈りを捧げてきました。

 そして、その祈りを何百年以上の長い年月、受け止めてきたのが社寺に伝わる文化財だといえると思います。神社の御殿に、あるいはお寺の仏像にどれほどの多くの人が平安を願い、祈りを捧げてきたことでしょう。文化財をご覧いただくということは、そうした人々の祈り、思いに触れていただくことでもあります。

 感染防止に万全の態勢を尽くしてお迎えさせていただきますので、ぜひこの秋には京都に伝えられた素晴らしい文化財に触れていただき、理解を深めていただければ幸いです。(聞き手・久保智祥)

記事後半では各公開場所の現時点での公開日程や感染防止策を紹介しています。

開催概要

【時間】午前9時~午後4時(拝観受付)※公開期間・時間とも一部異なる会場あり

【拝観料】(1カ所につき)大人1千円、中高生500円※東寺は大人800円、高校生700円、中学生以下500円 ※泉涌寺舎利殿は別途入山料500円必要

【主催】京都古文化保存協会 Tel 075・451・3313 http://www.kobunka.com/別ウインドウで開きます、公開寺社など

各会場の公開日程は

各公開場所の公開日程は次の通り。(8月25日時点)

拝観受付は原則午前9時~午後4時。

1.上賀茂神社 9月1日~12月13日

2.梅辻家住宅 10月1日~11日

3.北野天満宮 10月9日~18日

4.冷泉家 10月31日~11月3日

5.下鴨神社 10月1日~12月13日

6.法然院 11月1日~7日

7.知恩院 三門 9月12日~27日

8.長楽館 9月1日~12月11日

 ※午前10時~午後4時。9月12、13、16、17、20、21、26日、10月7、11、17、19、24、25、31日、11月21、22、28日、12月4~6日休止。

 ※9月7、14日、10月9、16、23、26日は正午~午後4時。

9.両足院 10月20日~12月13日

   ※午前10時~午後4時。

拡大する写真・図版六道珍皇寺 薬師如来坐像(国重要文化財)

10.六道珍皇寺 10月1日~11月29日

   ※11月10、11日休止

11.智積院 10月10日~11月29日

12.泉涌寺 舎利殿 10月10日~31日

13.悲田院 10月15日~11月1日

14.戒光寺 10月12日~11月1日

15.東福寺 法堂 9月1日~12月13日

16.東福寺 三門 9月1日~12月13日

17.東寺 講堂・五重塔 10月31日~12月13日

18.石清水八幡宮 10月2日~11日

感染防止の対策は

 新型コロナウイルスの感染拡大の状況により、公開場所や日程・時間などが変更となる場合があります。来場の際は京都古文化保存協会のホームページ(http://www.kobunka.com/別ウインドウで開きます)や公式ツイッター(@kyoto_kobunka)で最新情報を確認してください。

 会場では感染防止策として次のような対応をとっています。

・発熱やせきなどの症状がある方は来場をお控えください。

・入り口で検温を実施します。37・5度以上の発熱のある方は入場をお断りします。

・マスクの着用をお願いします。未着用の方は入場をお断りします。

・せきエチケット、手指のアルコール消毒などにご協力ください。

・間隔を2メートル(最低でも1メートル)程度確保し、場所を譲り合って拝観ください。入場制限を行う場合もあります。

・会話や発声はお控えください。

・文化財や展示ケース、備品、壁などに触れないでください。

(京都古文化保存協会発表)

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August 30, 2020 at 08:00AM
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