歌舞伎俳優の中村鴈治郎(61)片岡愛之助(48)市川右団次(56)が29日、吉村洋文大阪府知事(45)とともに、大阪府公館で「大阪文化芸術フェス2020」(9~11月)の発表会見に出席した。

先陣を切って、「歌舞伎特別公演」(9月11~13日、クール・ジャパン・パーク・大阪TTホール)が上演される。

同フェスは、大阪の魅力を国内外に発信しようと、17年にスタート。毎年9月から11月にかけ、大阪府内各所で開かれるもの。関西地区では、1月の大阪松竹座、2月の京都・南座公演以来の本格的な歌舞伎公演となる。

新型コロナウイルス対策として、公演は90分前後で構成。演目もソーシャルディスタンスを保ったものになるという。

愛之助は「身替座禅」「連獅子」に出演。「『身替座禅』を初役で務めさせていただきます。題材的には、この世の中、ひじょうに難しくなっている『結婚してるけど彼女に会いに行く』というものなんです」と笑わせた。その一方で、歌舞伎役者らしく「歌舞伎ですから楽しくおもしろおかしく、かわいらしく務めたい」と意気込んだ。

鴈治郎は「とにかくお客様に見てもらううれしさは何物にも代え難い」と役者としての本音を吐露。「歌舞伎特別公演」は17年以来、3年ぶりの実施で、鴈治郎と愛之助は同年にも出演している。鴈治郎は「今年もやっていただけることに大きな意味がある。その皮切りとしての歌舞伎公演はうれしい」と喜んだ。

同フェスは今年で4回目。コロナ禍での開催決定に、吉村知事は「ワクワクしています。開催を決定してよかった。体の健康も大事だが、心の健康も大事」と楽しみな様子。「歌舞伎で大阪を元気にしたい。上方を代表するみなさんに感謝です」とも語った。

右団次も「やはり歌舞伎はライブなので、お客様から元気と勇気をいただきながら、空間を共有するのが楽しさ。心の健康のために楽しんでほしい」と呼びかけていた。