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豪雨で国宝の神社が床上浸水、文化財61件が被害 - 読売新聞

 九州などを襲った豪雨で、全国の国指定や選定・登録文化財の少なくとも61件が、浸水や土砂崩れなどの被害を受けたことが分かった。被害件数は今後さらに増える見通し。自治体からは国に復旧支援を求める声も上がる。

 文部科学省のまとめでは、17日午前7時現在、熊本県17件、佐賀、鹿児島県各6件、福岡、長崎県各5件、大分県4件。九州以外では愛媛県4件、愛知県3件、長野、岐阜、滋賀、山口県で各2件など。

 球磨川の氾濫で4日に国宝の拝殿が床上浸水し、楼門も冠水した熊本県人吉市の青井阿蘇神社では、水が引いた現在も境内にがれきが残る。鳥居前の池にかかる国登録文化財のみそぎ橋は、濁流で欄干が損壊した。大分県竹田市の史跡・岡城跡では石垣が一部崩落した。

 世界文化遺産の構成資産にも被害が出ている。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の原城跡(長崎県南島原市)では22か所でのり面が崩壊。「明治日本の産業革命遺産」の三池炭鉱専用鉄道敷跡でも、福岡県大牟田市で、のり面が15か所崩れ、線路跡に土砂が流れ込んだ。

 文化庁によると、国指定の文化財が被災した場合、文化財保護法に基づき、保有・管理する自治体などに国が修復費として最大85%を補助するが、自治体指定や国登録文化財は原則、修復費の補助がない。熊本県は13日、豪雨で被災した文化財について「早期復旧にかかる全面的な支援」を国に要望。国登録や自治体指定分の修復費の一部負担などを国に求める考えだ。

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July 17, 2020 at 01:00PM
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