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【論風】新型コロナ蔓延で問われる文化力 ヒーローのような「大人」であれ - SankeiBiz

 結核、コレラ、ペストなど過去の感染症がパンデミック(世界的大流行)を起こすと、歴史を変えるほどの影響を及ぼしてきた。今回の新型コロナウイルスによる感染症も世の中の価値観を大きく変えるだろう。(國學院大学特任教授・赤井益久)

 新型コロナが急速に世界に蔓延(まんえん)したのはグローバル化で人、モノが瞬時に大量に流れるからだ。鎖国政策をとっていた江戸時代なら日本に新型コロナが侵入するリスクは低かっただろう。どこでも誰でも自由に移動できるというグローバル化の価値が逆目に出た。

 悪いことばかりではない

 経済にもダメージを与える。グローバル化でサプライチェーン(供給網)が世界的に張りめぐらされるようになり、工場が1カ所でも操業停止に追い込まれるとあえなく破綻してしまう。日本でマスクが手に入りにくいのは中国に生産拠点を移したからで、供給を海外に依存したツケともいえる。拠点を自国に戻す動きもあるが、すべてを賄えるわけではない。ローカルとグローバルの兼ね合いが難しい。

 「見えない敵」である新型コロナとの戦いで人類はあまりにも大きな代償を払うことになるが、「禍福はあざなえる縄の如し」というように悪いことばかりではない。新たな価値や生き方、社会システムを生み出すきっかけにしたい。感染拡大を受けて、大学は早々に入学式の延期や中止を決め、授業開始を遅らせている。従来の教育を見つめ直す、抜本的な対応の変革が求められているようだ。

 私は国学院大学の学長として2011~19年、東日本大震災をはじめ数々の危機対応に当たったが、最悪のシナリオを何通りも描いた。感染防止の観点から、通常の対面式の授業ができなくなり、多くの大学が「遠隔授業(オンライン)」に移行している。未経験なことが多く種々の工夫が求められているが、知恵を絞ってよりよい授業を展開しなければならない。そして大学に求められる「質保証」に応えていきたいと思う。ITやネットもうまく使いたい。生き抜くため変化が必要だ。

 感染の収束時期が見通せず、社会は徒労感、疲労感に覆われている。自粛、自粛で世の中が暗く沈む今、知恵や豊かな心、相互扶助といった文化力が問われるのではないだろうか。ウイルスという敵に対し文化力で対抗することが文明人にはできるのだ。自宅で過ごす時間が増える中、先日、テレビから演歌が流れてきた。心にしみた。感染者の集団発生が起きやすい「密閉・密集・密接」状態を防ぐため外出やイベントなどの自粛要請で、不要不急ではない音楽やスポーツなどで生計を立てている人は収入の道を閉ざされている。一方で、無償で技量を披露してわれわれを励ますタレントやスポーツ選手も少なくない。私は授業ライブ論者だ。授業はその時々の雰囲気やモチベーションなどで違う。常に新鮮でライブ感覚だ。コンサートやスポーツなどもライブ感なくして魅力は語れない。その機会が自粛により奪われた。

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May 14, 2020 at 09:41AM
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