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滝井孝作の自伝的小説を映画に 高山市文化協が製作 - 中日新聞

滝井(高橋さん)が高山の町並みを歩く劇中のワンシーン=市文化協会提供

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滝井孝作

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 高山市出身の小説家で、俳人、編集者としても活躍した滝井孝作(1894〜1984年)を題材にした映画「初めての女」を市文化協会が製作した。滝井の自伝的小説「俳人仲間」の一編を映像化し、全シーンのほとんどを市内で撮影。関係者向けの試写会が7日、同市昭和町1の市民文化会館であった。

 映画の舞台は、明治末期の高山。地元の魚問屋ででっち奉公をしながら俳句の勉強をしていた十七歳の滝井は、西洋料理店の女中や遊郭の芸者に恋をする。さまざまな経験を通じて人間的に成長し、俳句の道へと進む決意を固めるまでの姿を描く。

 撮影は市中心部の観光名所「古い町並み」をはじめ、松本家住宅(国重要文化財)や旅館かみなか、喫茶店バグパイプなどで昨年十一月〜今年一月に行われた。セットを新設せず、現存する高山の街並みや風景だけで撮ることができた。同協会事務局長の関善広さん(63)は「地元の保存会が守り続けてきた歴史ある町並みがいかに貴重か。滝井が引かれた高山の素晴らしさを、映画を通して再認識してほしい」と話す。

試写会で舞台あいさつをする小平監督=高山市昭和町1の市民文化会館で(左)と主要キャストら

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 映画製作は、設立七十年を迎えた市文化協会の記念事業。協会内でかねて映画を作りたいという声があり、「何か後世に残せるものを」と企画された。上映時間は約二時間で、総製作費は約八百万円。

 メガホンを握ったのは、新人監督映画祭で準グランプリの受賞経験がある小平哲兵さん(32)=福井県越前町出身。青年期の滝井を新潟県出身の高橋雄祐さん(27)が演じた。市民ら四十七人もエキストラ出演している。

 滝井は生前よく故郷からお菓子を取り寄せ「これには高山の空気が入っているんだぞ」とうれしそうに食べていた。亡くなる数日前には身内に「これでもう、ふるさとに帰れるかと思うとほっとするね」と語ったという。小平監督は「滝井のふるさとへの強い思い入れを考えると、やはりこの作品は高山で撮らないと成立しない」と力を込めた。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、一般公開の日程は未定。試写会で小平監督は「地元の人の協力があってこその作品。なるべく早く皆さんに見てもらいたい」とあいさつした。

 (横田浩熙)

 <たきい・こうさく> 俳句を河東碧梧桐(かわひがし・へきごとう)に、小説を志賀直哉に師事。芥川賞創設時から選考委員を47年間務めた。代表作に「無限抱擁」「折柴句集」「俳人仲間」などがある。文化功労者。高山市名誉市民。

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