喜多方の古民家拠点に文化塾 前福島県立博物館長・赤坂さん開講へ - 福島民友

　「地方から新たな文化を提案したい」。前県立博物館長の赤坂憲雄さん（６７）は喜多方市で「北方・文化塾」を開講する。同市のリフォームされた築１５０年以上の農家古民家「紅葉（もみじ）庵」を拠点に、文化、芸術など幅広い分野の著名人を招き、学びの場を提供する。２７日にお披露目会が開かれた。

　学習院大文学部教授で民俗学者の赤坂さんは、東北の文化、歴史を掘り起こす「東北学」を提唱したことで知られる。博物館長を退任後も多くの友人がいる会津地方で文化、芸術を仲立ちとした地域おこしに関わりたいと考えた。大和川酒造店会長の佐藤弥右衛門さん（６９）に誘われ、旧酒蔵を展示やイベント蔵として活用する北方風土館の館長にも就いた。

　新型コロナウイルス感染症の影響で、大学の講義がオンライン授業となり「授業中、チャット機能で学生が次々と書き込みを行い、対面でなくても議論が深まった」と新たな発見があった。どこでも学びや仕事ができることを強く感じたという。

　「リモートワークなどの広がりで、東京にしがみつき貧しい暮らしをするより、地方でのんびり豊かな暮らしができるようになる」と感じる一方で「実際に訪れて、そこで空気や人に直接触れることで分かる面白さもある」と言い「両方できることで新しいことが生まれる」と考えている。

　今月には、喜多方市政策推進顧問（文化担当）にも就任。「蔵のまち喜多方で文化創造都市を目指した提案ができれば」と、今後はまちづくりにも積極的に関わる予定だ。

　蔵は芸術、文化と親和性が高いため、ミニシアターや劇団の練習場など多様な可能性があるという。「喜多方に眠っている蔵を開いて、文化芸術の拠点にしたい」。喜多方の地で「東北学」の新たなステージの幕が開く。

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June 28, 2020 at 07:46AM
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