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仮想通貨と伝統的金融資産の相関について | FXcoin 仮想通貨情報サイト - FXcoin 株式会社

1.仮想通貨は伝統的金融資産との相関が低くポートフォリオ組み入れに有効。

2.ただしパニック相場では正の相関を示す値動きとなる。

3.VIX指数を使うことによって平常ポートフォリオとパニックポートフォリオの使い分けが可能。


先週は新型肺炎の感染拡大を背景とする世界同時株安などで金融市場が混乱しましたが、ビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)も急落となりました。今回の混乱で仮想通貨関係者を驚かせたのが、それまで株などの伝統的な金融資産の相場とは異なる動きをするとみられていた仮想通貨がドルや円などの法定通貨に対して、同じように下落したことです。

では、仮想通貨と伝統的な金融資産、例えば株式との非相関性は崩れてしましったのでしょうか?ここは冷静に検証してみたいと思います。

1.ポートフォリオの考え方 - 分散投資において安定したパフォーマンスを得る

投資の世界、特に機関投資家などプロの間では、リスク分散の観点から株,債券,不動産,外国為替など様々な資産クラスに組み合わせて投資します。この組み合わせはポートフォリオと呼ばれます。(ポートフォリオについては以前に「分散投資の重要性」について説明した通りです。)

特定の資産だけに偏った配分をすると、想定外の大きな相場変動があった場合、資産のほとんどを失ってしまう可能性があります。そのような事態を回避するために、様々な資産クラスにバランスを意識して配分することがポートフォリオの考え方です。

これまで仮想通貨は伝統的な金融資産と相関性が低いため、機関投資家がポートフォリオに組み入れる資産として有力視されていました。しかし、今回の金融市場の混乱において株同様に大幅下落となったことから、その資産としての優位性に疑問符が投げかけられているのです。

2.相関係数について - 関係の強さを示す指標

相関係数とは2つの変数の”関係の強さ”を示す指標で、-1から+1の間で示されます。-1に近いほど2つの変数は負の相関(変数Aが増えれば、その分だけ変数Bが減る)といわれ、一方で+1に近いほど正の相関(変数Aが増えれば、同じ割合で変数Bも増える)にあるといわれます。

相関係数 r 相関の強さ
+0.7 < r < +1.0 強い正の相関
+0.4 < r < +0.7 正の相関
+0.2 < r < +0.4 弱い正の相関
-0.2 < r < +0.2 ほとんど相関がない
-0.4 < r < -0.2 弱い負の相関
-0.7 < r < -0.4 負の相関
-1.0 < r < -0.7 強い負の相関

 
以下ではこの相関係数を使って、いろいろな資産クラスの相関を確認していきます。

3.ここ1カ月(新型肺炎相場)の相関性 - ビットコインと株は高い相関性

まずは、ここ1カ月、つまり2月14日以降の株(S&P500)とビットコイン(対ドル)相場の相関係数を見ると+0.90であり、これは極めて強い正の相関を示しています。これだけを見るとビットコインは株と同様に動いており、ビットコインを資産クラスとして保有しても、有効なポートフォリオは作れないことになります。
相関が高いと言われているドル/円と日経平均でも相関係数は+0.81なので、ポートフォリオの観点からは、こちらのほうがましといえます。ただし、株と相関の低い資産の代表と言われている金(ゴールド)は同時期において+0.52で、実はこちら比較的強い正の相関を示しています。
つまり、今回の新型肺炎の感染拡大を背景とする金融市場の混乱においては、どのアセットクラスも相関があったことがわかります。

4.過去3年間の相関性 - ビットコインと株はほとんど相関がない

では長い期間、過去3年間における相関をみてみるとどうでしょうか。調べてみると以下のような結果となりました。

(図1 過去3年間における相関係数 )

アセットクラス 相関係数 相関性
BTC/USDとS&P500 +0.18 ほとんど相関がない
金(Gold)とS&P500 -0.06 ほとんど相関がない
ドル/円と日経平均 +0.62 正の相関

つまり仮想通貨(BTC)は金(Gold)同様に「ほとんど相関がない」となっていることがわかりました。つまり、長期的に見ると仮想通貨は金(Gold)同様にポートフォリオに有効な資産であることが分かります。

5.仮想通貨の非相関が崩れるとき - パニック相場で例外的な動き

長期的に見た場合、仮想通貨と株は相関がない(つまり非相関である)ことがわかりましたが、どのような時にこの構図がくずれるのでしょうか。
筆者は市場参加者がパニックとなった時にこの構図が崩れると見ています。

市場参加者のパニック度を測る指標としてはVIX指数がよく使われます。これはVolatility Indexの略で、シカゴオプション取引所がS&P500のオプション取引の値動きをもとに算出・公表している指数です。数値が高いほど投資家が先行きに不安を感じているとされ、別名「恐怖指数」とも呼ばれています。VIX指数は1990年より算出されており、これまでの平均値は19.3です。過去に60を越えたのはリーマンショックの時と今回だけです。つまり今回の新型肺炎相場は10年に1度起こるかどうかのパニック相場となっていることがわかります。このような例外的な相場環境をもって「仮想通貨の非相関が崩れた」と判断するには、あまりに短絡的と言わざるを得ません。

ここで実際にVIX指数が平均値の倍、つまり40を越えるとき(≒パニック状態)に限って、各々のアセットクラスの相関係数をとってみると以下の通りとなりました。

(図2 過去3年間においてVIX指数が40以上となっている時の相関係数 )

アセットクラス 相関係数 相関性
BTC/USDとS&P500 +0.62 正の相関
金(Gold)とS&P500 +0.68 正の相関
ドル/円と日経平均 +0.60 正の相関

つまり、市場参加者はパニック状態に陥ると株,金(Gold),外貨,そして仮想通貨でも、資産を売却し現金化を図ろうとすることが数字にあらわれています。

これらの考察から筆者の考える仮想通貨を非相関資産としてポートフォリオに組み入れる指針は以下の通りとなります。

「基本的には仮想通貨を株式等の伝統的金融資産と相関の低いアセットとしてポートフォリオに組み入れておく。その上で相場がパニック状態(VIX指数40越えをもって判断)となればポートフォリオから外す。」

この指針が皆様の資産形成の参考となれば幸いです。

以 上

れんぶらんと

17世紀に活躍したオランダの画家レンブラント・ファン・レインの作品をこよなく愛する自称アーチスト。 1980年代後半のバブル期に株式および外貨資産投資を始め、いい思いをしてから投資の世界にどっぷりつかっている。

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